考える、決める、我慢する、迷う。 こうした**「自分がどうするか」を決める度に、脳は体力を使っています。**
この体力を「意志力=ウィルパワー」と言います。 オカルトな名前に聞こえるかもしれませんが、れっきとした科学の名称です。
私の開発は、この**「ウィルパワーをいかに削らないか」**を大事にしています。
ウィルパワーとは?
脳の前頭前野には「人間の意思決定や制御を司る働き」があります。 前頭前野がきちんと機能できる残量が、ウィルパワーと考えていただけると良いです。
- ウィルパワーが十分にある時(午前中など)
- 多くの情報をテキパキ認識して処理できる。
- 自制心が利きやすく、欲望を振り払って目的に向かえる。
- ウィルパワーが減っている時(午後〜夜など)
- 判断ミスや決定までのラグ、やっつけ仕事が出やすくなる。
- 自制しにくくなり、帰りのご褒美ケーキや週末の無駄遣いをしてしまう。
朝起きてから夜寝るまで、人間は様々なシーンでウィルパワーを消費しながら生活しています。残量が減るごとにエラーが増え、後半に行くに従って判断力が弱くなっていくのです。
ウィルパワーとうまく付き合うには
そうなると「じゃあウィルパワーを回復させたら良いんじゃない?」と思われるでしょう。 大正解!!と大手を振って答えたいところですが、「どうやって?」の部分が問題です。
ウィルパワーの一番の回復方法は**「寝ること」**。判断が鈍る前に寝るのが一番いいんです。
しかし現実には、「ちょっと頭が働かないから寝ますわ!」「ごゆっくり~」と返される状況はそれほど多くないでしょう。仕事中に寝るのが許されることはなく、私用で作業していても寝る時間が惜しかったりします。
そうなると、減ったら戻せないウィルパワーを**「いかに削らないで頑張るか」**というアプローチの方が現実的になります。これが私が、開発においてウィルパワーを削らないことを大事にしている理由です。
迷いもウィルパワーを減らす
冒頭にも記載しましたが、「迷う」こともウィルパワーを削る行動に該当します。 責任のある決定をしていくことと同じように、「うーんどうしよう?」「これどこだっけ?」と悩む時間もウィルパワーを削るのです。私はここが無駄であり、改善できないかと考えました。
正直、私は他の人よりもウィルパワーが少なめなんじゃないかなと感じています。 午前中と午後では仕事量に大きな差があり、クオリティコントロールの質も変わっているように感じます。
そんな私が一番自分を消耗させていると感じたのは、「どうするんだっけ?」という迷っている瞬間でした。些細な迷いも、重大な決定も同じようにウィルパワーを削るのであれば、迷いはなくした方がいい。その分クリエイティブな仕事をし、QOLの高い時間を楽しみたい。
ウィルパワーの概念を知ってから検証を重ね、以下の開発方針にたどり着きました。
- 目的とツールが一直線であること 「これしたいならこれ」が明確であること。
- 直感的なUI(ユーザーインターフェース) アイコンや色を活用することで、頭の中で操作を言語化するプロセスを少しでも減らすこと。
- 悩むべきことに集中できる設計 悩まなければならない部分は「悩むことに集中」できるように、それ以外の要素を徹底的に簡略化すること。
ひとことで言えば「直感的な操作」と言われる部分ですが、なぜ直感的かまで言語化し、それに対して文字ではなく色のイメージを植え付ける等、何が改善されるかまで意識をしたうえで開発を進めています。
ウィルパワーが多く残る夕方は素晴らしいものです。 仕事をこなしても、なお頭が明瞭。達成感とやる気が継続した状態で帰路につくならば、プライベートの密度もかわります。
私の関わったアプリやプロダクトが皆様の人生にとって、少しでも貢献できたらこれ以上ない喜びです。